船舶の国際電気通信料金計算担当機関 AAIC: JP03 協立電波サービス株式会社

Inmarsat関連資料

3. インマルF (F-77,F-55,F-33)の導入メリット

2004年10月15日
2005年7月 改訂

Inmarsat Ltd.はインマル-Aのサービスを2007年12月末で終了することを決定したため、既存のインマル-A設置船で2008年以降も運航する船舶は期日までに換装する必要があります。

また、既存のインマルB設備等の予備機や乗組員の福利厚生用としても、インマルFを導入する効果は大きいと考えますので、下記の導入メリットをご参照の上、早期に設置されるようお願い致します。

1. インマル-Fの特徴

  1. インマル-F(通称Fleet)は、電話、FAXの他、利用した通信量(10Kbit単位)に応じて課金されるインターネットパケットデータと、通信速度が64KbpsのHSD(High Speed Data)サービス(F33はHSDなし)があることが大きな特徴です。

  2. F-77はインマルA,Bと同様に全海域で通信可能なグローバルビームですが、F-55とF-33は電話のみ全海域で通信可能で、その他のデータ通信等はスポットビームのカバレッジで通信できます。なお、Inmarsatの第4世代衛星が2005年2月にインド洋上に打上げられて、順次大西洋、太平洋上に打上げ予定であり、これらが稼動すると、スポットビームでカバーされていない海域も通信可能になり、全海域で通信できることになります。

2. インマル-Aをインマル-F77かF33に換装する場合のメリット(通信料金はKDDIの通常時間帯の料金)

  1. FAXの実際通信のテストで、インマル-A(4.8Kbps)とインマル-B(9.6Kbps)を比較した結果は以下の通りです。(インマル-Fも9.6KbpsのFAXサービスを2004年8月から開始されました。)

    (1) 原稿1枚(約1600文字、WORD文書21KB(168Kbit))
    インマル-A:100秒(1,156円)
    インマル-B:72秒(444円)
    (2) 原稿3枚(約4800文字、WORD文書27KB(216Kbit))
    インマル-A:260秒(2,992円)
    インマル-B:176秒(1,110円) (F: 176秒 1,050円)

    これから、インマル-B(F)のFAX通信は、インマル-Aに比べて通信時間が約30%短く、通信料金は60-65%程度安くなることが判ります。(FはBに比べ、通信料金が6秒当り2円安いため、さらに節減可能)

  2. 電話の1分間の料金はインマル-Aが680円、インマル-Bが370円、インマル-Fが350円で約半額です。

  3. データ通信においても、インマル-Aとインマル-B(F)では上記2-1)項のFAX通信の差が同様に発生しますが、インマル-Fではパケット通信でE-mail送信できるため、さらに安くなります。例えば、(2)項のWORD文書27KB(216Kbit)は圧縮せずに送ったとしても、115円であり、インマル-Aの3.8%の料金になります。この理由としてパケット通信は従量課金であることと、インマル-A,BのE-mailやFAX通信では通信毎に発生するハンドシェイク時間(20-40秒)も秒数課金されますが、従量制ではほぼ無料になることが上げられます。

    (パケット料金は、5.3円/10Kbitであり、大手船社のテスト結果等から500KB(4Mbit)以上のデータ量であればHSDが安く、それ以下のデータ量ならパケット通信が安いと言われています。)

  4. A4版2枚のFAX原稿をスキャナーで読ませて、インマル-Fのパケット通信で送るとB(及びFの9.6K-FAX)より3-4割安い料金(Fパケット:81Kバイト 346円)で送れたため、スキャナーとパケット通信の組み合わせによる利用も通信費用の節減に有効と言えます。

このように、パケット通信を有効に活用すれば通信料金はかなり節減可能であり、インマル-Aの利用状況により節減できる金額は異なりますが、インマルAと同じ通信分数(電話、FAX)及び通信量(E-mail)をインマルFで行なうと仮定した場合、通信費はインマルAの30%程度(最低でも50%程度)にできると考えられます。

3. 費用回収の試算

前提条件:
  1. インマルA船の2004年1月-9月の月額平均利用額(手数料除く): 約15万円/隻

    (弊社契約船で毎月定常的にインマルAを利用した船舶123隻の平均額)

  2. 通信回数および通信データ量は、インマル-Aとほぼ同じとする。

1) 試算-1: インマル-Aの30%に節減した場合(インマル-AでE-mailを利用している船舶等)
  1. 月間節減額 約10万円
  2. 年間節減額 約120万円
2) 試算-2: インマル-Aの50%に節減した場合(インマル-AでE-mailを利用していない船舶)
  1. 月間節減額 約7.5万円
  2. 年間節減額 約90万円

この50%節減は、通信料金タリフの差だけで達成できるもので、パケット通信でのE-MailやFAX送信による節減額を見込むと一般的な使用方法でも、インマル-Aの40%程度にできると思われます。

さらに、通信費30万円分が無料となるKDDIのキャンペーンが2006年12月末まで延長されております。

これらから、年間100万円から120万円の節減が見込まれるため、F-77,F-55,F-33の設備価格にもよりますが、F-77に換装した場合で3-4年、F-33であれば1-2年で設備代を回収できると見込まれ、できるだけ早い時期に換装した方が経費の節減につながると言えます。

4. その他

実際にインマルFを搭載した場合は、パケット通信によりインターネットWebで天気図や台風情報をタイムリーに入手できるなど、インマル-Aより通信の量は増えると思われますが、通信費節減だけでなく安全運航に役立つ情報交換等のツールとしてもメリットが大きいと考えます。

また、前述の通り、インマルB船には故障時のBack up設備や、乗組員の福利厚生用に小型軽量のF-33を搭載することで、運航の効率化や緊急時の対応により有効であると考えますので、早期導入をご検討戴きたく、お願い申し上げます。

以上

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